周りができること<家族編>
家族は一番身近な存在だからこそ、自分の娘や息子、もしくは夫や妻、父や母がうつ病だと知ったらショックですよね。
なぜこんなことになったのか、どうすれば周りは助けられるのかうろたえてしまうこともあると思います。
うつ病になると家で過ごすことが多くなるので、実家暮らしであるなら家族のサポートはとても大事になってきます。
私自身周りからどんな助けを得て、よかったと思えたのか、ということに触れていきたいです。
「実はうつ病なんだ」周りができること:
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<家族編>
目次:
!じっくり読む!
*この記事は周りにうつ病の方がいる方向けに書いています。
*死に関する内容が含まれています。苦手な方は避けてください。
*この記事は個人談をもとに書いています。専門家ではないので、その点ご了承いただけると幸いです。
うつ病になったら一緒に暮らしたほうがいい?
うつ病になったときに一人暮らし、または単身赴任をしている方などもいると思います。
このときに考えるのは実家に戻ってきてもらった方がいいのか、もしくは自分たちがうつ病になった家族のもとへ行ったほうがいいのか、ということです。
私の経験上これは一緒に暮らしている方が心身ともに安まります。
うつ病になると家事ができなくなるので、やってくれる人がいるのは助かりますし、収入の心配もしなくていいので、安心できます。
また、一人で過ごすことも多くなるので、誰かが家にいることで孤独を感じないです。
ただ家族がうつ病を受け入れられなかった場合、別々に暮らした方がいいな、とも思っています。
受け入れられないと、うつ病になった相手を見るのが辛いですし、うつ病になった方もそれを感じて居づらくなります。
ですので、環境によって答えは変わりますが、全体的に一緒に暮らした方がいいのではないかな、というのが私の意見です。
家族の役割は見守ること
家はくつろげる場所であって、特にうつ病になると一番多く時間を過ごす場所になります。
だからこそ家族のサポートが重要になってくるのですが、一番重要なのは見守ることです。
家に一日中いる家族を見て心配になるかもしれませんが、いずれ体調がよくなる日がきます。
それまでは焦って、もっと外に出るよう促したり、人をたくさん家に呼んでパーティーに参加させたり、などは避けましょう。
今は人と会うのが辛く、無理して会わせるとうつ病が悪化します。
そして、家事など周りのことは行い、助けが必要、または話す相手が必要だったらそばにいきましょう。
うつ病、と聞くと精神的に病んでいるだけだって思うかも知れませんが、私の中では患者のようなもので、休憩を必要としています。
ですから治るまで安静にできる病室を作ってあげるようなイメージで接するといいと思います。
そして相手がなにかを始めたい、と言ったらリハビリができる時間です。家事などをやりたいといったらやらせ、ときには相手が好きであろうことを勧めるのもいいですね。
周りができること
家族だからこそできることがたくさんあるので、私自身感じたことを書いていこうと思います。
事前にこの記事を読んでもらうと、より分かりやすいです:
否定しない
自分の家族が元気がない姿を見て、相手の言うことを否定して励ましたくなるかもしれません。
ただし今ここで否定しても、他の記事で話したように自分を全否定されたような気持ちになります。
アドバイスを今渡しても、実際に心に届くことが少ないと思うのです。
特に家族はより近い関係ですし、だからこそ色々とアドバイスをしたくなるので注意が必要です。
できること!
・共感する
・話を聞く
・アドバイスを与えない
(その代わりに一緒に家でできる簡単なエクササイズに誘ってみたりするのはいいと思います。ただし相手が乗り気だったらです。)
プレッシャーをかけない
家族としてサポートしたかったり、心配したりして思わず日々どうしているのかを聞いたりするかもしれません。
また、仕事を辞めたら将来が不安だなと感じて、仕事をどうするのかとか、将来のことを聞いてしまうかもしれないです。
ただしうつ病の方は既に悩むことで頭がいっぱいいっぱいです。そこに将来どうするの聞かれると、考えることがありすぎてパニックになります。
今必要なのは休息を取りながら、その悩みからゆっくりと離れていくこと。
うつ病を治さずこのまま行ってもまた再発する可能性があります。それなら完治するまでゆっくりと治し、それから新しいことを始めた方が健康的だと思います。
だらけているわけではないから、それを理解してあげて欲しいのと、一時的なものだからそれまではサポートしてあげる姿勢を作ってください。
私の祖母も私がこのままニートになってしまうのではないか、と心配してましたが、うつ病の方はだらけたいのではなく、だらけることが仕事です。
ですので思いっきりだらけられる環境を作ってあげましょう。
できること!
・プレッシャーとなるものを除く
(家事、急な訪問、家でのパーティー、将来のこと、など)
・なにもさせない
(〜したい、と思っている場合はやらせてOK)
金銭面でサポートをする
うつ病の方の中には働くのが辛くなる人もいます。また、精神科に行くのにも結構な金額がかかりますし、思考の歪みをとるのに効果的なカウンセリングも1回の金額が結構高いです。
しかし、仕事を休職、辞職することも、カウンセリングなどに頼ることも、ときには必要になります。
もし金銭的に余裕があるなら、今だけサポートしてあげると、とても助かるはずです。
カウンセリングが本当に効くのか?と感じる方は下の記事を読んでください:
できること!
・実家暮らしを勧める
・クリニック、カウンセリング代を出す
・生活費面でサポートをする
様子を見る
一緒に暮らしていく中で、家族の方に気にかけてほしいことがあります。それは、うつ病になったその方は家でどう過ごしていますか?
いつも様子を見る必要はありませんが、ちらっと手首をみたり、表情をみたりしてください。人によっては自室でリストカットをしたり、自殺を考えたりしていることがあるので注意が必要です。
また、ベッドから起き上がりたくても起き上がれない、作業中に立ち上がることができなくなる、ということもあります。
本人はそんなこともできないことを恥ずかしく感じるので、ときには助けを借りれると安心です。
うつ病の方はリストカットなどをしたくてしていないですし、ベッドから起き上がることなども含めて誰かに助けを求めたいけど、求めづらく感じています。
むしろ無意識に、そんな自分に気づいてほしい、と思っているかもしれないです。
なにかイベントやハプニングがある前後は特に気をつけてください。気持ちが乱れやすく、考えが不安定になります。
自分の家族の状態がどれだけ重いのか知りたい方は、私のうつ病指標シリーズの記事を参考にしてもらえると嬉しいです。
うつ病の症状を危険別に振り分けています:
できること!
・一緒にいるときは手首や表情に注目する
・最近調子どう?と聞かない
(早く良くなって、というプレッシャーに聞こえます)
・部屋に刃物や紐、薬などが置いてあるか確認する
・些細なことでも助けることを伝える
もし自傷行為や自殺を試みることに気づいたとき
以上が家族ができることですが、それとは別に、おそらく自傷行為や自殺などは家で行う方が多いと思うのでその話もしたいです。
もし自分の家族メンバーが自殺などをほのめかしていたら、話を聞いてあげてください。
どんなふうに死のうと考えていたのか、なぜそんなことがしたくなったのか、聞くだけで辛いと思いますが、死にたいことを誰かに話すことで、気持ちを発散できるので聞いてあげてください。
叱らないで話を聞いてあげてください。本人もやりたくてやっていません。
なぜ自傷行為や自殺行為に走るかについてはこの記事で書いています。よかったら読んでみてください。
自殺願望がどのように出るのかについて書いています:
全部聞き終えたら、そこで自分が相手に思うことを伝えてください。相手を責めるようなことではなく、本当に亡くなったらどう感じるのかを伝えてください。
NG:「それを聞いた私たちの気持ち考えている?」「親不孝だね」
OK:「亡くなったら私耐えられない」「亡くならないで」
それはうつ病の方がまた自殺を考えたときに、思いとどまる言葉になるかもしれません。
一緒にいるのに疲れたとき
一日中自分の言うことを否定され、ずっとネガティブで一緒にいるだけで疲れることもあると思います。
必要以上に気にかける必要はなく、いつも通り、かけてはいけない言葉だけは気をつけて接してください。いつものように外に出かけたりしましょう。
もし自殺を考えているなら、ずっと家にいなければって思うかもしれません。そんなときは「大事にしているよ」と心から伝えてみましょう。
うつ病の方は自分が孤独であることが辛いです。
だから誰かに必要とされていると思うだけで、一日頑張ることができますし、自殺を思いとどまることもできます。
なにがあっても味方だという気持ちは変わらず持っていれば、いつかうつ病の家族の心に響く日がきます。
長い道のりになりますし、疲れることも増えるかもしれませんが、気長に過ごしていきましょう。
まとめ
家族によって、形はそれぞれ違いますが、やはり家族から必要とされているか、愛されていると感じるか、というのはうつ病において大きな影響を与えます。また家族だからこそ助けられる箇所もたくさんあるので、そのうつ病の方の味方でいてほしいな、と思います。