被害妄想になる理由とは、解決方法ものせます!
皆さん、被害妄想に悩んでいますか。私はうつ病発症から5年経った今でも悩まされています。
被害妄想、とはいっても自分ではなかなかどこまでが被害妄想なのかそうではないのか判断がしづらいですよね。
頭では誰かに助けてもらいたいとは思っているのに、助けを一切えたいと心から思えないのが厄介ですよね。そんな中私は1冊の本に出会いました。
被害妄想について細かく書いている本:
「PARANOID(2015、筆者: David J. Laporte)」という皆が経験する被害妄想から妄想型の精神病まで、細かい実例と一緒にメカニズムを解説している本です。
妄想に関する全てが研究成果とともに書かれているので、被害妄想で苦しんでいる方にはオススメです。
ちなみにDavid J. Laporteは心理学の教授をしている方ですので内容の信憑性は高いかと思います。
ただし!こちら、英語で書かれているので、私がためになると感じた部分を記事にまとました。
私も必要なさそうな部分は飛ばして読みましたが、ネタバレしたくない方はこの先読まないことをオススメします。
ちなみにこの本を読んでから私の被害妄想は少し良くなりました。私と同じように悩む人が少しでも楽になってくれたら、嬉しいです。
目次:
!じっくり読む!
被害妄想とは
そもそも被害妄想とは頭がおかしい人がなるものでしょうか。周りが自分の悪口を言っているように聞こえる、という経験を何人の人がしたことあるのでしょうか。
その答えについて少し紹介します。
被害妄想を経験する人は多い
妄想性パーソナリティ障害になる人は例えば、あそこにいる人が鍵を持っている。あれは自分を殺す、という合図だ。だから殺される前に殺した、というふうに考えます。
このように全てのことをなにかに結びつけて、事件を起こすことは一般的な人には少ないでしょう。
けど全体の15~30%の人が被害妄想を日常的に経験しているという研究データがあります(おそらくアメリカでのデータ)。
それは悪口を言われている、噂をされている、といったことで、被害妄想を起こすこと自体珍しくないようです。
本当に妄想なのか区切りがつけにくい
ある実例ですが、ニコル・ヒル(Nicole Hil)が元夫であるブラドリー・ストーン(Bradley Stone)がいつか自分を殺しに来る、と近所に話していました。
周りからすれば、そんなことあるわけがない、となりますが、その後本当に殺されてしまいました。だから被害妄想なのかどうかという区別は外から見ただけではつけにくいのです。
だからこそ被害妄想は助けにくい一つの症状でもあります。
被害妄想の逆は信頼
ちなみに被害妄想の逆は信頼です。周りの人を信頼していないので、被害妄想を持つ人はとにかく人を疑います。
他の人だったら繋がりがないと感じる物事も、被害妄想を持っている人は常に疑って、なにかが起こる可能性を常に考えます。
例えば、誰かがトイレを流し忘れたとしたら、被害妄想をする人は、自分を怒らせるためにトイレを流さないのだと思います。なにに対しても自分を脅かすために行われているかのように感じるのです。
そういうふうに考えるのは、自分の見たものを信じられないから、なにかと理由をつけることで見たものを理解し警戒しようとします。
トイレの例だと、水が流されていないということに理由がほしいので、自分を脅かすためだ、と理解して警戒するのです。そうやって被害妄想を持つ人は危険を回避しようとします。
また、被害妄想の人は全てが自分を脅かすように感じるから、繊細で批判に対して傷つきやすいです。
思考がおかしいわけではない
被害妄想の人は思考がおかしくなったわけではありません。被害妄想を持っていても他のエリアでは論理的な理由をもちいて結論を出せます。(例えば、仕事上では皆の納得できる説明ができます。)
しかし、人間関係においては間違えた考えをしやすく、その上論理的な理由を出せるからこそ被害妄想をする方はその考えに固執します。
被害妄想を持つ人は優秀な犯罪小説探偵みたいなもので、周りをよく見て、なんども起こる日常的なハプニングや状況から脅かすものを見つけだします。
例えば、今のうなずきはどういう意味だ?なぜこんなことを言ったんだ?なにが欲しくてこんなことを言うんだ?など。
そういった理由を見つけ出すのは被害妄想の人にとって簡単なことなのです。
(皆なら気にしないところまで、人間関係だけに置いて、脅かす存在をあぶりだそうとするということです。)
人間関係について
被害妄想で悩む人は人間関係においても悩みやすいです。
私の過去の記事でも言いましたが、うつ病になると人と会うことが怖くなりますが、そのその怖い、という気持ち、実は被害妄想からきていました。
被害妄想になると出る症状について書いています:
被害妄想をする人は疲れる
被害妄想の人は、間違った方向に洞察力を働かし、理由を見つけたらその敵に固執して全力を注ぐため、疲れやすいです。
しかも固執すると怒りも倍増し、解決するための行動も行えなくなります。
被害妄想の人たちはほとんどのことに対して信頼していないのに、自分に関係のあるネガティブなことは信じるのでいささか矛盾しているように感じます。
被害妄想を持っていると人間構築が難しい
人間はある程度の信頼を持つことが大事です。けど被害妄想を持っている人は攻撃されないように警戒しているので、情報を周りと共有したり、自分の感情を周りに伝えたりしません。
冗談なども本気にするので、被害妄想の人と話すのはたまごの殻の上を歩くぐらい繊細なものです。
そのせいで周りは話すことに疲れて距離を取ります。また、被害妄想を持つ人は優しく暖かくされることを望んでいないどころか、攻撃してくることを望んでいます。
(優しくされても「人って優しい」とはならないけど、攻撃されると「人って信頼できない」となる。)
しかも、警戒心と攻撃心の強い態度を取るので、周りもイライラして同情できないのです。
だから恋愛をするときも、相手のものを全てチェックして、自分を裏切っていないかを念密にチェックします。
なぜ被害妄想が起きる?
ただし、もし被害妄想が誰にでも起こることなら、なぜうつ病の人はこんなにも悩まされているのでしょうか。なぜこんなに深く人を疑うようになったのでしょうか。少しお話ししましょう。
被害妄想の人は「疑りシステム」が異様に高い
被害妄想の人だけではなく、誰でも過去に起こったことなどをベースに警戒心を持ちます。
例えばテイラースウィフトは外に出れば写真を撮られるため、自分のプライバシーは家の中だけだと感じたようです。そのため、セキュリティーガードを外に置いて自分を守り始めました。
もしそれを私たちがしたら、やりすぎと言われますが、テイラースウィフトは自分の経験から「疑りシステム」(警戒心)をあげているのです。
私たちが友人と知らない人とで態度が違うのも疑りシステムを上げ下げしているからです。ただし被害妄想の人は何らかの異常によって脳の警戒心が上りっきりになっている状態です。
それは現代のストレスやトラウマ(特に幼少期)、薬(合法、違法)、家族の教えなどによって起こっている可能性があります。(本編では薬や他の病気による被害妄想の話も書かれています。ここでは割愛します。)
被害妄想になる理由
被害妄想の人も、そうでない人も色んなことを元に今の状況を把握することがあります。(昔のトラウマと今の状況が似ているな、など。)
被害妄想ではない人たちは、過去と今の状況を比べて、違う結論を出すことができますが、被害妄想の人たちの脳にはそういったシステムが正しく働いていないから被害妄想が良くならないのです。
更に、自分の疑っていることを周りに話す力がないため、どんどん疑り深くなっていきます。
そのため、周りも干渉したくないし、あの子は少しおかしいから、と線引きをしてしまうのです。
解決方法
本の中の一部で、実際に被害妄想に悩んでいる方向けに2、3ページほどかけてなにができるのか書かれていました。個人的に読んで、長期にかけて癒していくものだという印象を受けました。
被害妄想の人ができること
カウンセリングに行くのが効果的です。被害妄想を持つ患者と接するとき、カウンセラーは適度な距離を保ちながら治していく必要があります。
中には、うまく距離を取れず、うつ病を発病してしまったカウンセラーもいますが、大抵のカウンセラーはいい距離感を保ちながら思考の歪みを直すことができました。
周りの人ができること
1、相手の気持ちに寄り添う
少し現実と離れたことを言っていても、その人の大事な人として寄り添ってあげましょう(自分が味方だということを表す)。不安や心配を理解してあげることが大切です。
たまには違う見方があることも教えていいですが、優しく伝えるようにしてください。
2、自分にできることはない、と理解する
被害妄想を持っている人に対して悪く言っている人がいたとしても、その状況を変えることはできないです。
だからあなたにできることは、相手の気持ちに寄り添って、散歩に行ったり、ペットと遊んだり、など気をそらしてあげることでしょう。
3、被害妄想を持つ人に変わりがないかを見ること
言ってることが無茶苦茶になったり、不安定な感じや、奇妙な感じがしたら、心理学者や精神科医への診察を予約をしてください。
被害妄想がある人には、ストレスが心配だから、とクリニックに連れていきましょう。
4、暴力的になっていたら、なんとか最小限に食い止める
もし暴力的になったら、銃や包丁などを目に見えないところにおいてください。もし必要なら病院に連れて行きましょう。
自分の大事な人の変化にケアをすること、そして被害妄想の人と、そしてそれによって傷つけられる可能性のある人を守ってください。
まとめ
個人的にこの本を読んで、具体的にこれが原因だ、これが解決方法だ、とは書かれていなかったものの、被害妄想のメカニズムを知れたことはとても役に立ちました。今は自分の「疑りシステム」が高くなっているんだな、と感じるだけでも充分効果はありました。ぜひこの情報を機に、自分の被害妄想と向き合うことができたら嬉しいです。