自分で被害妄想を止める方法 ①仮説を立てる
前回はどのように辛い被害妄想を克服したかについて書きました。
被害妄想の止め方:
今日はその中で説明した「仮説を立てる」という方法を詳しく説明します。
うつ病で辛いのは自分の考えていることが全て、となって、周りにポジティブに生きなよ、と言われても抜け出し方が分からなくなる点です。
この仮説を立てる方法は、被害妄想があるときだけでなく、ネガティブなことばかりを考えて辛いとき、生きづらさを感じるときなどにも使える方法です。
目次:
!じっくり読む!
*この記事はうつ病の方をターゲットとしていますが、精神的に悩んでいる方にも効果的です。
*この記事は個人談をもとに書いています。専門家ではないので、その点ご了承いただけると幸いです。
なぜ被害妄想の人たちは、抜け出せない?
被害妄想の人たちは、自分の仮説を覆す理由がないから自分たちの考え方に固執して辛くなります。
そのため、自分の考えを覆す説明がないと被害妄想の人たちは自分の考えから抜け出すことを不安に感じ、より辛くなります。
被害妄想のメカニズムについては、下の記事で書いているので読んでみてください。
被害妄想の原因やメカニズムについて書いています:
他の仮説があれば抜け出せる、と考えた
では、自分の持っている仮説を覆せなくても、他の仮説も同じように覆す理由がないからどちらでも合っている、と考えられたら?
そんなことありえないって思うかもしれませんが、カウンセラーと話していく中で「そういう考えもあったのか」と気づくことは私自身多かったです。
また、場所が違えば価値観は違いますので、自分を攻撃してくる人もいれば、そんなことを考えもしない人たちや場所もあります。
場所が違えば、価値観も違うという話をしています:
被害妄想を今すぐ改善できる方法ではありませんが、自分の考えに固執して辛くなる必要がないと、この方法で理解していけたら嬉しいです。
やり方
では具体的なやり方を書いていきます。
1. 自分の中で固執している、と感じることを述べる
まずは自分の中で考えすぎているのかな、と感じたことを思い出しましょう。紙に書き出してもいいですし、頭の中で思っているだけでもいいです。
もしそういったエピソードがなければ、辛いなあ、と感じたことでも構いません。
最近うまく友人と話せないな。皆私のことが嫌いなんだろうな。
2. なぜそう感じたのかを考える
次になぜ自分がそう感じたのかを考えます。
皆私のこと嫌い。なぜなら....
・私がくると気まずそうな顔をする
・私がくるとずっとイライラしている
3. 他の仮説を考える
前の記事でも言ったように、実際皆がなにを考えているか、は分かりません。
自分が思ったように本当に思っていたのかもしれないし、他のことを思っていたかもしれません。自分の仮説が100%正しいわけではないことは頭に入れましょう。
それはもちろん他の仮説も同じで、要するに自分が信じたいことを信じればいい、ということです。
とはいえ、人間不確実なことが嫌いです(とどこかで聞きました)。
だから被害妄想的な考えに発展することはおかしくなく、そう信じなければ信じられないぐらい当時は辛かったのだと私は思います。
ただ場所や世代、時代が違えば考え方も変わりますし、違う信じ方もあるのだということは知ってほしいです。
話を戻しますと、今はただ「自分の集めた証拠から、こんな考え方もあったんだ」ぐらいに捉えられたら充分だと思います。
皆私のこと嫌い。なぜなら....
・私がくると気まずそうな顔をする
→グループの中で、自分のことが嫌いな人がいるから気まずく感じている
→(私が)ちょっと臭かった
→気まずく見えただけかもしれない
→なにかタイミングが悪かったのかもしれない
・私がくるとずっとイライラしている
→他にもイライラしていることがあって、自分が来たときにそれがピークに達したのかもしれない
→自分のしたいように物事がうまくいかなくてイライラしているだけかもしれない
→私に、というよりは私がいることで起きることにイライラしているのかもしれない
→そもそもイライラしていないかもしれない
仮説の立て方
仮説の立て方ですが、クリエイティブに考えましょう、というのも私もカウンセラーの助けがあったから少しずつ仮説を立てられたので、ただ一人で考えようとするだけでは解決しなかったです。
クリエイティブに考える手助けとして、私が考えつく限りの仮説をここに書いてみました。
後は友人、家族、カウンセラー、ネットなど、色んなところからインスピレーションをもらってクリエイティブに考えてみましょう!
①私のこと笑った
・バカにしている
・可愛いと思った
・実は他のことで笑っていた
・コミュニケーションの一部
②私のこと怒ろうとした
・嫌なことが他にあったから、八つ当たり
・他のことで気が荒れていた
・注意しているだけかもしれない(愛かもしれない)
・人を注意することに生きがいを感じる人なのかもしれない
③私のことを攻撃してこようとした
・ただ単に手が当たったり、足が当たったりしただけかもしれない
・背が高いから圧を感じるだけかもしれない
・元々顔がいかつくて、そう見える
・サイコでない限りはいきなり手を出してこない
・ストレスが溜まっているのかもしれない
④私のことを裏切ろうとした
・違う考え方を持っていたから、自分にはそう見えただけかもしれない
・どうしても背に腹を変えられぬ事情があったのかもしれない
・裏切っているのではなく、自分の時間を楽しんでいるだけかもしれない
・自分が相手を信頼できていないから、そう感じるのかもしれない
⑤誰かに追われている
・たまたま近くに住んでいる人かもしれない
・自分が意識しすぎて、そう感じているだけかもしれない
・人通りが少ないから、足音に意識がいくのかもしれない
(本当に追われているのなら、警察に行きましょう)
⑥避けられている
・コロナだからかもしれない(今限定)
・自分が少し臭うからかもしれない
・避けているのではなく、たまたまタイミングが悪かったのかもしれない
・今は話したくない気分なのかもしれない
・思春期かもしれない
・自分の時間が欲しいだけかもしれない
⑦私の陰口を言っている
・ただ裏で他のことを話していただけかもしれない
・陰口ではなく、ただの話のネタとして話しているかもしれない
・陰口というよりはアドバイスをもらうためになにか相談しているのかもしれない
・実はあなたのいいところを話しているのかもしれない
・他の人のことを話しているのかもしれない
⑧私が不幸なことを喜んでいる
・私が不幸になったところで、皆にとってどんなメリットが生まれるんだろう
・実は悲しんでいるけど、顔に出せないだけかもしれない
・勘違いかもしれない
・あなたの不幸以上に嬉しいことがあったのかもしれない
・励ますためにかけた言葉が、不幸を喜んでいるように聞こえるだけかもしれない
・無言なのは、頭の中でどう話しかけようか悩んでいるからかもしれない
・喜んでいるのではなく、なにかそれで荷が降りたのかもしれない
・困難に立ち向かっている姿に感動して喜んでいるのかもしれない
⑨私がいなくなったほうが皆喜ぶ
・疲れていて出せないだけで、好きという気持ちは変わっていないかもしれない
・喧嘩をたくさんして、好きだということを表面に出せないのかもしれない
・言葉にするのが苦手な人たちなのかもしれない、不器用な人たち
・あなたがいることで迷惑かけているかもしれないけど、それが当たり前だし、大歓迎って思っているかもしれない
・言わなくても大事なのはわかっていると思っているのかもしれない
・今自分たちのことでいっぱいいっぱいなのかもしれない
・意図して行ってた行動ではないのかもしれない
・それぞれの気持ちの伝え方が違うだけかもしれない
・無意識に傷つけているのかもしれない
・いて当たり前の存在だから、扱いが雑に感じるだけかもしれない
⑩皆が私を見ている
・あなたが周りを気にしすぎているだけかもしれない
・あなたが周りをキョロキョロするから、周りも気になっているだけかもしれない
・あなたの持っているものが気になっているだけかもしれない
・可愛い/ かっこいいからかもしれない
・自分の近くの人を周りが見ているのかもしれない
・皆ボーッとしているだけかもしれない
・皆案外お互いのことを見ているのかもしれない
まとめ
被害妄想はなかなか自分では治しにくい症状です。できるならカウンセラーなどの助けを得ながら自分でも治せる方法を探すのがいいかな、と思います。今日は仮説を立てる、という他の考えもあるんだよ!と頭に刷り込む方法でした。私もいくつか例を書いたので、これを参考に自分のシナリオ以外の展開も考えてみてください。