「私は死んだほうがいい」うつ病の人を救う方法
「死にたい」という友人や家族がいたら、なぜ死にたいのか話を聞いてあげてください。
死にたいと言っているうつ病の友人は、今死に間際にいます。
こんにちは。うつ病を患って6年目に突入しました、ユキです。
私も死にたいという気持ちを何度も体験しており、うんうん、と死にたい話を聞いてもらうだけで、気持ちが楽になりました。
今日はうつ病を持っている人が「死にたい」と言ったときの対処法についてのお話です。
うつ病を持っている人をケアする側も実はとてもしんどいです。
自分のせいでもし亡くなったら。自分がもっとなにかをしてあげられていたら。
そんな気持ちを抱えながら、面倒を見ることは大変だと思います。
この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。
うつ病を持っている人はこちらを読んでください。
死にたいと思ったときの対処法を書いています:
目次:
- うつ病に対して責任を感じなくていい
- うつ病って本当に死ぬの?
- 死にたくなるメカニズム
- でもなんだかんだ生きているから死ななさそう?
- 相手が生きたくなる方法はこれ
- その他言いがち、思いがちな言動に対する本音
- うつ病の人を救いたいなら、話を聞こう!
*死に関する描写が含まれています。苦手な方は読まないでください。
*「うつ病を持っている人」が周りにいる人に向けた記事です。うつ病を持っている人はこの記事を周りの人に読ませてください。
*この記事は個人談をもとに書いています。専門家ではないので、その点ご了承いただけると幸いです。
うつ病に対して責任を感じなくていい
まず、仮にうつ病の人が亡くなってしまっても、それはあなたのせいではありません。
確かにそれとなく言った一言や、した行動がうつ病をエスカレートすることはあります。
ただし、うつ病は病気です。
例えば、癌の患者さんがいたとして、私たちは薬物治療を投与できないですよね。
できることは、そばで生きる気力を持つよう励ますことぐらいでしょうか。
それはうつ病も一緒で死ぬ以外楽になれない、と錯覚する病気だと思ってもらえれば大丈夫です。
うつ病は皆の脳にあるはずの栄養が不足し、思考が狭まるから死にたくなります。
だから言わなければよかった一言や行動はあるかもしれません。
ただ決してそれが原因で亡くなったわけではないと私は思います。
うつ病を持つ側としては支えようと思ってくれるだけでも充分です。
この記事を読みたい、と思ってくれただけで充分感謝します。
だからもし本当に亡くなった、または今後亡くなるようなことがあっても、自分のせいにしないでください。
頑張ってその人が生きた結果なんだと思ってほしいです。
うつ病って本当に死ぬの?
死にます。
大切なのではっきりと言います。
うつ病を持っている人は皆、死ぬリスクを抱えていると思ってほしいです。
うつ病で自殺するという話は実はよくあります。
私がうつ病を人に打ち明け始めた頃、「実は…」と友人が鬱々としており、自殺した話を2人から聞きました。
また、留学先の大学では毎年自殺者が出るそうです。
東京の電車でも人身事故がよく起こりますね。
周りの人が言わないだけで、自殺する人というのは実は多いです。
きっと今笑顔で接しているうつ病の人も、お昼になにを食べようかと考えるように、死ぬことを考えているかもしれません。
死にたくなるメカニズム
うつ病を持っている人は本心で死にたいと思っていないです。
脳が死ぬしか方法がない、と誤作動で教えてくるような気持ちがあります。
私が例えると、死ににいくスイッチがついたエレベーターに乗っている状態です。
ストレスがある程度の重さになると、エレベーターが1階下がります。
状態が悪ければ下がり続け、最後の1階までいきます。
このときには「奈落の底」に落ちないよう必死にしがみつく感覚です。
もちろん状態が良ければ階は上がりますが、治すのに3倍ほどの労力と時間がかかります。
そして普段よりも感情や思考が敏感になっているので、下に落ちやすいです。
なので一度スイッチが入ると「奈落の底」につくのは簡単です。
奈落の底に落ちた瞬間、頭の中でなにかがプツッと言います。
もう底から先はコントロールが効きません。
一連の衝動が終わるまで、ただただ死なないで、と心の中で祈るだけです。
奈落の底へと落ちたときに考えること:
- 死にたい、という考えが常に働く
- 死ぬ方法を考える
- 死ぬための道具を探す
一通り衝動が収まると、また最後の1階に戻ります。
奈落の底にいる間は2度と味わいたくないほど、とても冷たく怖いです。
そのため、その恐怖や不安がストレスになり、また何度も底へと落とされます。
それを繰り返しているうちに、疲労が勝っていきます。
すると1Fにいるにも関わらず、次に落ちたときにどう死ぬかを考え始めました。
少なくとも私のメカニズムはこのような形です。
自分でも今エレベーターのこのあたりにいる、
今こんなことが起きたら「奈落の底」に落とされる、
ということは分かります。
1Fまではまだ治りやすいですが、一度衝動に駆られると、簡単には元に戻らないと思ったほうがよいです。
下の記事でも自殺願望が出ているときの症状について書いています。よかったら読んでみてください。
死にたくなったときの症状について書いています:
でもなんだかんだ生きているから死ななさそう?
なんだかんだ生きているは必死に生きた結果、命が持っている、の間違いです。
やっぱり日常生活をこなさなくては怪しまれますし、周りにはこれから先の人生があるので邪魔はしたくないと思います。
死ぬ死ぬ、と言っていた人が次の日にケロっとしているのは、一時的にストレスを発散できたのかもしれません。
ただ一時的であり、死に対する恐怖は残っていることが多いです。
自分でも無意識のうちに死にたくなることはあります。
なので日々生活しながら、1ヶ月以上こんなことを考えました:
- こなすことはこなしてから死のう
- ちょっとした言葉を言われて、こんな言い方されるなら死のう
- お酒を飲んでなにをしても怖くなくなったから、今なら死ねそう
- あそこに行けば、サクッと死ねそうだな
一回「奈落の底」へ行くと、恐怖を通り越して死に対して冷静です。
本当に死ぬかは別にして、本人は死ぬことを本気で考えていると思います。
相手が生きたくなる方法はこれ
死にたかった話を真剣に聞き、自分にとって相手がどれだけ大切かを伝える、です。
これだけすれば生きる活力が戻ります。
正直死ぬ、というところまでいくと、普通の言葉では相手に届きづらいです。
間違った言葉をかけて一気に死にたくなる、なんてこともあります。
カウンセリングや薬を勧めるのもよいですが、その間に実行することもありえるはずです。
なので相手がどれだけ自分にとって大切かを伝えてください。
ちょっと踏み込んでもいいかな、と思います。
1. 話を聞く
相手の言うことを否定せず、なぜ死にたかったのか、どんな気持ちになったのかを聞いてあげてください。
死に向き合うというのはとても怖いです。
死ぬことは生きるより辛いみたいです。
誰しも痛いことは避けたいかと思いますが、それはうつ病の人も含めてです。
脳の誤作動であり、本心では生きたいと思っています。
ただし、自殺は自分で選んだかのように聞こえるため、話をしたところで「じゃあ自殺しなければいいではないか」と返事される可能性もあるはずです。
それは「自殺を考えるお前が悪い」と責められている気持ちになります。
また、うつ病の人もそう思う理由を理解できるので、死に対する恐怖を誰かに話すことをなかなかしません。
ただ自殺するという恐怖を誰にも話さずいれば、そのストレスで死にます。
だから「死にたい」と言うのは「助けて。まだ死にたくない。」という意味です。
このままでは死んでしまう、というSOSを勇気を振り絞って発しています。
自分の知っている人が「死にたい」と聞くのは辛いです。
ただ彼・彼女もまた同じ気持ちだということを理解し、話しを優しく聞いてあげてください。
これは「助けて」という合図だと思ってください:
・リストカットをしている
・「死にたい」と言う
・薬や刃物、紐、薬などを持っているところを目撃する
*本当に心から死にたいのであれば、死ぬことを予想されないよう気持ちを隠します。
NG:
-「なんでそんなこと言うんだ」と怒る
-「考えすぎ」といった相手を否定する言葉
-話から逃げる
OK:
-「そうなんだね。死にたかったんだね。」
-「XXしたとき、どんな気持ちになった?」
-「ゆっくりでいいよ。話してちょうだい。」
2. 自分にとって相手がどれだけ大切かを伝える
大袈裟に思われるかもしれない言動でも大丈夫です。
私の場合は、しつこく、大げさなほど言われたほうが心に届きます。
ただしこれらの言葉は本音であること。これは大切です。
もし大袈裟にわざと言っていたと分かれば、なにを言われても信じられなくなります。
それが優しさからくるものでも、今度死にたくなったときに心に響かなくなるでしょう。
NG:
-「私、XXがいないと生きていけない。(そこまで思っていない)」
-「死なないでね。」
-「そうなんだ。」
OK:
-「私はXXが必要だから。本当だから。」
-「どんな小さなことでもいいから、辛くなったら私に電話して。」
3. 専門機関に頼ることをお勧めする
打ちあけてもらって数日後に専門機関などを勧めるとよいです。
打ち明けた数日後には気持ちが少し落ち着き、冷静に自分に必要なものが見えてきます。
そんなときに客観的な視点で、専門機関が必要だと言われると行くのに抵抗が少ないです。
もし既に通っているのであれば、特に伝えなくて大丈夫です。
代わりにいつでも話聞くからね、と一言添えてあげましょう。
NG:
-当日に話を聞いて専門機関を勧める(正常な判断ができないため、自分は異常な人だと相手に思われた、とうつ病を重くする可能性があります。)
-いきなり専門機関を勧める。
OK:
-「(話を別の日に聞いた後に)あの後、少し調べてみたんだけど、こういうところに行くのはどうかな?こういうところだともっと話を聞いてくれるんじゃないかな。」
-「ここに通ってみるのはどうかな?もし行きづらかったら私ついて行くよ。」
-「その後、調子はどう?話聞くから、辛いときはいつでも話しかけてね。」
その他言いがち、思いがちな言動に対する本音
1. 「頑張って生きて」「死なないで」「死んじゃダメだよ」
うつ病が劇的に悪くはなりませんが、よく言われる言葉なので積もりに積もって辛くなることはあります。
うつ病本人はおそらく頑張った結果、死にたいと思うほど追い詰められています。
そんな中で「死なないで」と言われると、頑張りが足りない、もっと頑張れ、と言われているようです。
自分の状況を理解してもらえない、そのうえもうこれ以上頑張れない、とうつ病がより悪化します。
死なない努力をするよう伝えるのではなく、なにが彼・彼女を辛くしているのかを聞いてあげてください。
話すことで自分の問題が死ぬほどのことではないと気づき、止めることがあります。
2.「生きたくても生きられない人がいるんだよ」
これも特にうつ病が重くなりませんが、自殺を助長する言葉になります。
うつ病の人、少なくとも私がこの言葉を聞くと「じゃあ私の命あげるよ」ってなります。
うつ病の人たちも、生きたくても生きられない人たちです。
命が大切なのも分かっているから、生きたい気持ちと死にたい気持ちとずっと戦っています。
そんな中この言葉を言われると、自分を理解していないと感じます。
理解されていない→自分は大切ではない→いつ死んでも大丈夫、という思考になることも多いはずです。
死ぬのを止めたいときは、相手が自分にとってどれだけ大切なのかを伝えてあげてください。
生きる理由を作ってあげてください。
3. 「死にたい」と言われなくなったから、放置
これは死ぬ可能性が高くなります。
放置は気持ちが倍増し、今後自殺を考える可能性が高いです。
死にたい、という気持ちは1回起きるとしばらく続きます。
もし自分でガス抜きができる人であれば大丈夫ですが、多くの場合は心の底で死にたいと思っています。
つまり、衝動的に死にやすいということです。
自分を残して死ねるんだ、とショックで冷静に話せないときは、数日後に手紙やメッセージでもいいので、自分がなぜ相手に死んで欲しくないのかを伝えてみてください。
どんな形でもいいので、素直に自分の気持ちを伝えるとうつ病の人の心に届きます。
4. 「そんなに言うなら死んでみたら?」
これも死ぬ可能性が高くなります。
絶対に言ってはいけない言葉です。本当にその日に死のうとする人も出る言葉だと思います。
うつ病の人は死んでいけない気持ちと常に戦っていると思ってください。
誰かがきっと自分のことを必要としている、自分は死ななくてもよい存在なのだと言い聞かせています。
そんな中この言葉を言われると、自分は死んでもいい存在だということを確信するはずです。
生きる必要性を感じなくなり、むしろ死んだほうが周りのためになるかもしれない、と錯覚し、本当に行動します。
相手の鬱々とした言葉にイライラしたら、距離をとってください。
自分を追いつめでまで、うつ病の人といる必要はありません。また、そうしたほうがうつ病の人にとっても救いとなります。
うつ病の人を救いたいなら、話を聞こう!
うつ病の人は辛いと言いますが、その周りにいる人たちも何をすればいいのか分からず、苦しい思いをすることも多いと思います。もし周りにいるうつ病の人の様子がおかしかったり、死にたいと言っていたら、まずは話を聞いてあげましょう。なにがあったのか、ゆっくりとでいいので話を聞いてあげてください。もし自分の体調が悪いと感じたら、距離をとってください。自分を大切にしつつ、サポートしてあげましょう。