うつ病が治った後に性格は変わる?
うつ病が治った後に性格は変わるのでしょうか?もし変わったとしたら、それはなぜなのでしょうか?
こんにちは、うつ病を5年ほど患ったゆきのです。当記事では、当時私が感じたこと、そして完治してから客観的に見て感じたことを共有できればと思います。
治った後に性格が変わる、とは?
恐らく皆さんが心配しているのは、どこまでが本来の自分で、どこまでがうつ病の症状なのかが分からない、といった不安なのかな、と思っています。
例えば、相手にきつい言動をしてしまうのは、自分がうつ病だったからなのか、それとも性格が変わってしまったのか。これからもきつい言動をコントロールできずに相手に言ってしまうのだろうか。
そんなところかな、と思っています。
うつ病が治った後、性格も戻ったと感じた
私は「うつ病の後遺症」のようなものは感じていません。やはり精神的に重くなると、うつ病のときのような状態にはなります。
ただ、今は笑うことが増えましたし、人と話せるようになりました。
完全に自分が戻るのに数年かかりましたが、今ではうつ病前の自分とそれほど変わらないように感じます。
一方で変わったと感じたこともある
「後遺症」ではないものの、うつ病を経験したことで自分の考え方や価値観というものはよくも悪くも大きく変わりました。
それは成長したとも言えるし、大人になったからとも言えるかもしれません。
それについては以下で深く話していきたいと思います。
1. 人がより怖くなった
私の場合、不安障害で人と話すことが怖く、 うつ病のときは極力人と会うこと、話すことを避けていました。
その結果、人との話し方を忘れて、話しているときに周りに怪訝な顔で見られていると感じることも増え、怖くなりました。
またうつ病のときにずっと一人で過ごしていても日々が巡るのを見て、「私がいてもいなくても、周りはどうでもいいんだ」という孤独感を持ちました。
どうせ私がいてもいなくても、他人にとって私はどうでもいい存在なんだ、という恐怖感と諦めは持つようになりました。
どう変わったのか:人を大切にできない。相手の気持ちに配慮した言動ができない。間ができてしまい、うまく話せない。人が怖くて話せない
どう改善されたのか:色んな人とたくさん会って話す、気のおける人と頻繁に会う。そうすることでコミュニケーションスキルもつき、「案外皆いい人なんだ」と考えられました
2. 死ぬこと以外、かすり傷
「死にたい」という思いを一度経験すると、どんな困難も小さなもののように思えます。
よくいえば「なんでも頑張れる」。多少辛くても乗り切れるので、人生の選択肢が増えます。
ただし悪くいえば「自分から悪い方向に行きやすくなる」です。
例えば、自分のパートナーに対して不満があったとしても、どこまで許容すればいいのかが分かりませんでした。
自分が限界に近いことを知ったのは、彼の一言で涙が止まらなくなったときです。別れてからも「あれも」「これも」我慢していたのだと何ヶ月もかけて理解できました。
どんなことでも「人生は一度きり」と行動できるようになったのはいいことですが、ある程度のことを我慢してしまう癖も同時にできました。
どう変わったのか:何事も小さい問題だと感じるようになった。皆なら我慢しないようなことも我慢できるようになった
どう改善されたのか:周りに話して、周りの感じ方を聞くことで許容範囲を調整
3. 騙されやすくなった
死ぬこと以外、かすり傷なうえ、人と長いこと接していなかったのもあり、怪しい人とそうでない人の見分けがつきにくくなったように感じます。
実はうつ病になってからのほうが騙された回数というのは多いです。それも「なんかおかしいぞ」「詐欺かもしれないぞ」と分かっていながら、騙されています。笑
今までは違うことは違う、と認識できたのですが、うつ病の後だと、判断力がずっと鈍っていたのもあり、「少し変だと感じるけど言っていたのだろうか」「離れていいのだろうか」と悩むようになりました。
どう変わったのか:性格が丸くなる。自分の意見の言い方を忘れる。
どう改善されたのか:騙されて学んだ。怪しいと少しでも感じたら距離を取る。
4. 家にいることが増えた
人と関わることが怖いというのもありましたが、家にいる楽しさを知ってしまったのかもしれません。笑
周りは人生一度きりなのだから、家から出て色んな人と会うべきだと言います。
けど私はその結果、色んな人と会って、揉まれ、うつ病になりました。なので人と会うことが必ずいいとは思っていません。
それよりも家で過ごし、自分が大切にしている人たちとたまに会う、今の時間のほうが私にとっては価値が高いように感じています。
ずっと家にいることは身体に悪いとも思いますが、家で幸せな時間を過ごす、という新たな価値観が生まれました。
どう変わったのか:より内向的になった
どう改善されたのか:改善する必要はないと思いますが、さすがに友人が少なかったので、交流イベントに参加したりしました。
5. 「他人は他人、自分は自分」
今までは誰かの目がすごく気になって、周りの思う自分になろうとしていました。
けどうつ病になり、生きるか死ぬか、というなかで、他人にどう思われるかを気にしている余裕はなかったです。
初めて周りの目を気にせずに過ごしてみて、周りはそれほど自分を気にしていないことを実感し、自分が気にしていることは小さなことだと思いました。
他人から見て、私は変人かもしれませんが、「あ、そうですか」と、嫌われることを前提に自分らしくいれるようになりました。
一方で、他人に共感して可哀想だとか、助けてあげよう、だとかそういった気持ちは芽生えづらくなりました。
それは自分が傷つけられたり、助けたことで自分の負担が大きくなったことを体験したからかもしれません。
自分を大切にすることに慣れていないので、加減が分からず、自分の気づかないところで人を傷つけているかもしれません。
どう変わったのか:より自分らしくなった。
どう改善されたのか:以前のようになんでも助けるのではなく、周りがどう相手に配慮しているのかを見て、調整しました。
うつ病の副作用はないものの、人生観に大きく影響する
私としては完治した今と比べて、「うつ病のせいで脳が変わった」のような感覚はありません。
それよりもうつ病を通じて感じた体験が、私の価値観に大きく影響しました。後は5年ほどうつ病を患っていたので、年齢を重ねるごとに変わった価値観もあると思います。
人付き合いという点では悪く作用していると感じますが、完治から何年かかけて、「自分らしく」と「周りを大切にする」という要素のバランスが取れてきています。
なのでうつ病によって性格は変わらないと思います。
感じ方は人それぞれだと思うので、ぜひ皆さんの感じ方も伺えたら嬉しいです!