うつ病が再発したサインとは
うつ病は高い確率で再発すると言われています。
うつ病はストレスが精神や身体に出る病気であり、ストレスの元がまた現れると再発しやすくなるのです。
数ヶ月後、または数年後でも、それは起こります。
ただ人によって再発しない人もいるため、一概には言えません。
それでも予防する方法や再発したときの対応などを知ることで、いざというときに対策できるようにしてほしいです!
目次:
*この記事は個人談をもとに書いています。専門家ではないので、その点ご了承いただけると幸いです。
うつ病は高確率で再発します
厚生労働省によると大うつ病性障害(通常のうつ)の人は60%の人が再発し、2回うつ病になった人は70%、3回かかった人は90%とより高い確率で再発しやすくなるようです。
この理由はうつ病が治ると、大きなストレスをまた抱え始める人が多いからだと思っています。
うつ病が治ると、今までやれなかったことを取り返そうとしがちです。
その過程で今までのトラウマを思い出すことや、うつ病前と同じだけストレスを抱えることがあります。
無理することが当たり前になっていたのもあり、気がついたら再発していた、となるわけです。
つまり、再発が起きないよういかに自分を大切にできるか、という点が大切です!
うつ病再発の予防方法
基本的に無理しないことが鉄則です。
無理することが当たり前になっているので、通常の感覚を取り戻しましょう。
少しでも体調が悪いと思ったら休んで、やりたいこともやりすぎないようにします。
また、周りと同じだけこなすのではなく、今の自分を基準に考えると予防しやすいです。
1. 少しずつ活動の幅を広げる
少しずつ活動することで無理する回数や行動を制限できます。
徐々に行動すると体調を見ながら調整がしやすく、再発しにくいです。
また再発しても、すぐサインに気がつけるので対策もしやすくなります。
気持ち1/2~2/3程度に行動をおさめるとちょうど良いでしょう。
例1:友人と出かけたい
来週は週末どちらにも予定が入っているけど、こなせるか不安
× 嬉しいからどちらも行く
× 来週行って、再来週の土日は休む
△ 早めに切り上げる
○ 約束を一つ別の週に入れる
○ キャンセルする
例2:仕事を任された
今は多少無理すればできそう
× 任された通りに仕事をする
× 残業する
× 今無理して、次の日は定時に帰る
△ 今回だけ無理してみる
○ できる自信のある仕事だけ引き受ける
○ できないことを伝え、どうするか話し合う
2. うつ病治療は続ける
カウンセリングや抗うつ薬の投与を続けることで、再発しそうになったときに助けてもらえます。
それに加え季節やトラウマなど、自分の力ではどうにもできない状況もあります。
<うつ病になりやすい環境についてはこちら>
うつ病になりやすい習慣や環境に気づかず、またうつ病になりやすい性格へと変わっていることもあります。
それは今までの習慣や育ち方などもありますし、すぐに直すことはできないです。
<うつ病になりやすい人の性格についてはこちら>
そのためプロであるカウンセラーや精神科医と話し合い、続けることがオススメ。
個人的に半年は同じ頻度で通い、そこから徐々に減らしていけばいいんではないかと思います。
特に環境が変わるときは頼ったほうが良いです。
<まだ治療をやめないほうがいいサイン>
3. 同じ生活環境に戻らない
同じ生活環境に戻ったら、うつ病は再発します。
これはとても重要です。
うつ病はストレスを感じることで出る症状です。
ということはうつ病が治っても、同じ生活環境に戻ってストレスを感じれば再発します。
「職場に戻るなってこと?」
「トラウマに向き合わないほうがいいってこと?」
というわけでなく、同じ習慣や思考にならない環境を作ってください。
自分を責めやすい環境を作らない、無理をしない環境を作らない、など。
うつ病に近づかない環境を作ります。
姿勢の悪さが原因なら、姿勢が悪くならない環境を作るとよいです。
冬に悪くなるなら、いっそのこと南国に逃げてみるのもいいですね。
ちなみに、トラウマからくる原因は、危険ですがもう一度経験して克服することはできます。
<5.に私のトラウマにあえて挑戦した経験談を詳しく書いています>
自分のトラウマがあった環境で以前と違う行動を取ります。
そして自分の得たかった状況になると恐怖に打ち勝てるのです。
けどそれは自分が準備できていたら、ですね。
ただ仕方ないからと同じ環境に戻ると、うつ病は再発しやすくなります。
違う環境でも同じ思考につながる環境もNGです。
4. 調子が少しでも悪くなったら、行動を控える
うつ病になった人は、基本的に自分に鈍感だと私は思っています。
なのでこれぐらい大丈夫、を繰り返し、症状が悪化したことに気づきにくいです。
前と同じように頭痛やだるさが戻ってきていませんか?
通常であれば風邪だと判断するかもしれませんが、うつ病だった人は大げさだと思うぐらい身体をいたわりましょう。
例1 頭痛がする
× 放っておく
× 頭痛薬を飲む
○ 夜はリラックスする時間を作る
◎ 3日間好きなことだけをする
例2 話すときにイライラする
× 放っておく
× 更にイライラする
△ その場で深呼吸する
○ 毎晩瞑想する
○ 夜はリラックスする時間を作る
○ ジムに行ってストレス発散をする
◎ イライラする人と話すのを避ける
◎ 好きなことだけをする
うつ病が再発しているサインはこれ
再発するサインは本当に小さな不調から始まります。
私もうつ病が完全に治ったと思った数ヶ月後にうつ病が戻ったことがあります。
対人の仕事を始めたのですが、頻度はたったの週1で2時間だけです。
相手のなんとんもない言動を2週間くらって、うつ病戻りました。笑
それぐらい繊細なものを私たちは取り扱っているのです。
なので再発は必ずする前提で、不調のサインに気づいてほしいと思います。
1. 人と会いたくなくなる
自分から誰かを誘わなくなったら、うつ病が再発しているサインかもしれません。
エネルギーが減ると、欲も減ります。
いつの間にか人と会うことを避けているなら、人と会う力が残っていない証拠です。
1人の時間をたくさん作って、身体を休めましょう。
<会いたくないサイン>
- 自分から誘わなくなった
- パーティーやイベントに参加しなくなった
- 友達との予定を断りたい気持ちが強くなった
- 最近1人の時間が全くなかった
- 人を前にするだけでストレス(イライラ)を感じる
2. 自分を責める
ちょっとしたことで自分を深く責めるなら、うつ病のサインです。
自分を責めることは通常でもありますが、周りが気にしていないことを何日もかけて気になるなら再発しています。
例えば、仕事でミスをして「またやってしまった。次は頑張ろう!」と思えるのなら良いですが、モヤモヤするなら危険信号です。
心底では「なぜやってしまったんだろう。なんでこんなこともできないんだろう」と考え続けている可能性があります。
このモヤモヤに気づかずに生活をすると、徐々に気持ちが大きくなり、うつ病になりやすいです。
少しでもモヤモヤを感じたら瞑想はオススメ。
<マインドフルネス(瞑想)の方法についても書いています>
もし具体的な解決策を考えたつかず、モヤモヤしているならこちらの方法はお勧めです。
<頭が整理できる方法です>
<自分を責めているサイン>
- 数日前のことでまだモヤモヤする
- 全て自分のせいで起きている気がする
- 自分がいなければ、自分がやらなければ、と思うことがあった
- 相談すると「そんなことで悩んでいたの?」と驚かれる
3. 集中できない
もしちょっとしたことがやりにくいなら、うつ病が始まるサインです。
確かに睡眠不足やお酒の飲み過ぎで、次の日に頭が回らないことはあります。
*そもそも睡眠不足もお酒の飲み過ぎもうつ病に良くないため、それでうつ病が悪化することもあります。
けど日々のコミュニケーションや課題、仕事などに少しでも支障をきたしたなら、要注意です。
<集中できていないサイン>
- 同じ箇所を何度読み直しても理解ができない
- ケアレスミスが増えた
- 相手の言っていることを聞き直すことが多い
- ささいなことが覚えられない
- 自分の言いたいことがまとまらない
4. ご飯が進まない
エネルギーがなく食欲が減っているのも、再発サインの一つです。
うつ病になると欲全体が減るのですが、食欲もそう。
2週間前と比べて、明らかに食事習慣が変わっているなら、うつ病の再発サインとして見ていいかな、と思います。
仕事で疲れたときや緊張しているときも食欲が減るので、見極めには要注意です。
<ご飯が進んでいないサイン>
- ご飯に興味が湧かなくなった
- インスタント麺、レトルトばかり食べるようになった
- 作らなくなった
- 外でご飯を買ってくるのが面倒くさくなった
- 軽食(プロテインバー、おにぎり1個、味噌汁など)で済ませている
5. イライラする
もし1日中イライラしたり、2週間経った後も慢性的に抜けないのであれば気をつけましょう。
イライラは睡眠不足や疲れ、ストレスによるもので、うつ病の再発サインでもあります。
普段イライラするのは健康ですが、なににイライラしているか分からないのであれば危険信号です。
<イライラしているかもしれないサイン>
- 2週間前よりもキレる/キレそうになることが増えた
- 睡眠不足や疲れがたまっている
- 最近嫌なことがあった(解決できないと感じる)
- なんだかボーッとする
- 今ならなんでも言い返せそう
どこまでの無理なら再発しない?
「今までできなかった分を取り返そうとしていない」と「うつ病前と同じ思考になっていない」が精神的に通常運転なのかを見極めるポイントです。
うつ病が治ると、今までできなかったことを取り返そうと色々と頑張りたくなると思います。
けど取り返そうとすると、無理しているのに気づかず悪化しやすいです。
また、うつ病前と同じ思考というのは考え方のクセです。
どれだけ違う場所にいても、うつ病になりやすい考え方をしやすくなったのなら再発していると思います。
なので自分の言動を見ることで状態がどうなっているかが分かりやすいです。
例1 上司に叱られて、落ち込む
通常の落ち込み:やっちゃったけど...明日も頑張ろう!
再発サイン :どうしよう。また明日も同じこと起こったら人生終わる。もっと頑張らなきゃ、嫌な目で見られる。
通常の落ち込み:またやっちゃった...。明日上司まだ怒っているかな〜。嫌だな〜。
再発サイン :またやっちゃった...。上司は多分「こいつ使えない」って思って、明日は嫌な顔をしてくるんだろう...。そういえばうつ病になったときも同じことを思ったな。
例2 ご飯が進まない
通常 :プレゼン前に緊張してご飯を飲み込めなかった
再発サイン:プレゼン1週間前から、食べると吐きそうになる
うつ病が再発したらできること
うつ病は60%以上の確率で再発すると言われているので、むしろ再発して当たり前です。
なので再発した後の行動も実は大事だと私は思っています。
また私の話に戻りますが、再発した後に浅いところで食い止められるかどうかで、その後うつ病の長引く期間は変わりました。
だから身をもって言えますが、再発して当たり前だから大丈夫です。
あの楽しかった日に戻れる方法を一緒に考えてみましょう。
1. 自分のせいではないことを理解する
再発したのは自分のせいだ、と思うとうつ病は一気に重くなります。
あのときにこうすれば、うつ病にならなかったと思うかもしれないですが、毎度考えて実行することは難しいです。
再発は誰のせいでもありません。
急に攻撃してくる人だっているし、急に雨が降ることもあります。
自分では完璧だと思っていた環境が実はそうでなかった、なんてこともあるはずです。
それはごく普通のことです。
また、うつ病が再発した理由が分からず、焦ることもあると思います。
私の経験上、結構ささいなことで重くなるんです。
<うつ病再発を焦っていたら、実はこんな理由だった>
- 数日連続で雨降っていた
- 昨日言われた一言に傷ついたけど、傷ついていることに気がつかなかった
- 残業した
- 喧嘩したけど、そのときのイライラを晴らせていないことに気づいていない
- ずっと寝転がっていた
- 家からここ数日出ていなかった
- レトルトやインスタント麺をたくさん食べていた
なんだ、こんな理由でうつ病が重くなっていただけかって気づくと、とたんにうつ病が軽くなるぐらい。
無理しない範囲で、スケジュール帳にその日起こったことを記録してみるのもいいと思います。
自分がどんなことで悪化しているかが分かり、再発しても落ち着けるはずです。
2. 休む
無理せずに一息つくことで精神状態が回復します。
体力が足りなかったら座って一息つくように、精神力が足りなかったら休息を取りましょう。
1人の時間を作るもよし、友達と出かけるもよし。
自分が心地いいと思うことをして、エネルギーをチャージしてください。
うつ病は再発して当たり前
うつ病は再発することのほうが多いです。だから再発しても焦らず、あ、きたな、と思ったほうがうつ病は軽くなります。せっかく治ったと思ったのに、と悔しくなるかもしれません。けどうつ病になったから仕方がないと思う部分もあります。気長にゆっくり治していきましょう。